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5-12。

  24, 2013 13:48
Ikki Halloween Party! 参加中。
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少し陽も落ちて。

会場から借りてきた折りたたみの机を組み立て、白いテーブルクロスを拡げる。
少し小さいけど、私の運べる大きさのはこれしかなかったし。

袋を並べて……あ、花とかも飾っちゃおう。
あんまり数は用意できなかったな……それでも無くなるぐらい来てくれると良いけど。

それにしても……。
自分がこういうお祭りごとに参加することになるなんて思いもしなかった。
自分がこういうお祭りごとに参加しようとするなんて思いもしなかった。

きっとずっと、見てるだけだと思ってた。
遠くからずっと、眺めてるだけだと思ってた。

嬉しい、な。
楽しい、な。

これも大人になったからかも、なんて。
思ったりして。

あ、でも誰も来なかったら……どうしよう……かな……。
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会場入り口少し手前で机おいて浮かない顔をしたキャラがクッキーを配布します。

赤い袋:バター、ココア、セサミを使用したスタンダードなモノ(5袋)
ピンクの袋:ベリー他ドライフルーツを使用したモノ(5袋)
青い袋:ナッツ類、ペッパー類を使用した甘いモノ苦手な人向け(3袋)
を予定しています。

会場へ行く前に興味が有ればお寄り下さい。
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さて。
必要なモノも借りてきたし。
準備準備。

少し小さいけどテーブルと。
テーブルクロス。花も飾って。

後は……じゃん!
クッキー!
誰もいないけど何となく掲げてみせる。

これ作るのにオーブン少し埋めたから代わりにミートパイはあんまり作れなかったけど。
これぐらいあれば足りるよな、きっと。
……もしかしたらいっぱい来てくれて足りなかったりして。

いやいやいや。期待は禁物。来なかったとき悲しすぎるし。
あーでもーうーん。……いや、うん、このままで!

それにしても……。
自分がこういうお祭りごとに参加することになるなんて思いもしなかった。
自分がこういうお祭りごとに参加しようとするなんて思いもしなかった。

きっとずっと、見てるだけだと思ってた。
遠くから、窓の向こうから眺めてるだけだと思ってた。

嬉しい、な。
楽しい、な。

これも大人になったからかも、なんて。



誰も……こない。
人がいないわけじゃない。
ただ横目に見て、通り過ぎていくだけ。

私……何してるんだろう。
期待、して。
喜んで貰えたら、とか。
料理だけは……嬉しそうに食べて貰えるから……喜んで貰えるから、だから。

じわっと涙が浮かぶ。
……私バカだなぁ……。


そんな私に突然のいたずらとおきまりの挨拶。
「こんにちは~、ハッピーハロウィン?
そして~…うふふ、トリック オア トリート~?」
「ひわぁ?!」
巻き起こる風にポンチョとスカートを押さえる。

「え、いや、トリ……ーと?
あ、いや違くて、いらっしゃいませ!ってじゃなくて、
でもなくて、そうでもなくて、そうじゃなくて……。」
しまった、何言ってるんだ私。えっとえっと……。
とりあえず!

「お菓子かいたずらかどっちかでないとダメだろ!」
と目の前の黒と黄色の魔女に怒ってみせる。

それに悪びれもせず。

「ええ、だから最悪、お菓子をいただけなくても…って覚悟はしてたわ~
それでも…ね? お嬢ちゃんのびっくりしたお顔が見てみたくって!」
「だって、笑う角には福来る…っていうじゃなあい?
だからほら、ね? 折角のお祭なのだもの
しょんぼりしてちゃあもったいないわ~!」
言いながらにこにこと笑う。

優しい声かけに照れて小さく呟く。
「……でも来てくれて嬉しかったから許したげる。」
そう小さく返すと魔女も柔らかく笑う。

そしてこれはなぁにと問われれば。
えっと、そうしたら。
「えっとこの赤いのがバタークッキーとかでピンクがドライフルーツ入りのとか。
こっちの青いのはセサミとかペッパーなんかの甘いモノ苦手な人向け。
どれにする?あんまり誰も来ないし、二つでも良いぞ?」

「まあ~、色々あるのね~!
それじゃあね…って、あら、いいの~?」
「……っ、いえいえ、それじゃあ独り占めになっちゃうわ…
それじゃあ、後の方に悪いもの~」

そう言いながらさんざんに迷ってからピンクの袋を選ぶ。

嬉しい。いっぱい悩んでくれてる。
嬉しい。私なんかが作ったものなのに。
嬉しい。私なんかが作ったもので、喜んでくれてる。

「そうだわ~、じゃあ、わたしもお菓子、置いていくわね~!
余分にいただくお礼~、うふふ~!」
「お嬢ちゃんが召し上がってもいいし、
渡す分が足りなくなっちゃたら、
代わりに渡してくださってもいいし…ちょっと待ってね~」

そう言いながらがまぐち鞄から取り出されたのはキャンディー。
それをひとつかみ私の手に置いて、その代わりに青い袋を手に取る。

流されるままにキャンディーを受け取って。

え……いいのかな。
これは私があげるお祭りのはずじゃ……。
私が上げないといけないはずなのに良いのかな……。
うーんうーん。

「あ、ありがと!」
結局受け取ってしまった。
笑ってくれてるからこれで良かったんだよ、な……?

「うふふ、ありがとう、良いお祭になりますように~!」
ちょんと挨拶をし、魔女が去っていく。
「いってらっしゃい、楽しんでこいな!」
キャンディー抱きながら声をかける。

魔女の姿が会場に消えて。
キャンディーを一つ、開ける。
きれいな、透き通った黄色。

報酬とばかりに口に放り込む。
「おいし。」

……よかった。優しそうな人が来てくれて。
よかった。喜んでくれる人がいて。




キャンディーもとっくに舐め終わって、五回目のため息を吐いた頃。
あれからまた誰も来なくて。
それでもさっきよりはずっと救われた気持ちで待っていると。

「トリック!おあ!トリーーート!!!」
シーツお化けの元気な挨拶。
「わ!……あーいや、いらっしゃ……じゃなかったハッピーハロウィン!」

「トリックオア…あれ、ボクたちと同じぐらいですか…?
……えっと…姉さんに貰った残りでよければ、食べます?」
続いて隣りに控えたシーツからは穏やかな挨拶と……チョコ?

私そんなお腹すいたような顔してたか?

「チョコ……あ、いや、私はもう大人だからな!
だから貰う側じゃなくてあげる側!」
あまり身長は変わらないけど、私の方はもう大人だし。
ここははっきりしておかないと。なのに。

「……?強がってもあまり良い事ないですよ?」
なんて声かけ。だからムキになって。
「べ、別に強がってるわけじゃねーよ!
大人はそんな簡単に欲望のままに動いたりはしないんだ、うん。」
つい視線をそらしながら答える。

「あ、じゃあ…ボクの姉さんのチョコを自慢したいので、少しだけ貰ってくれますか?」
む、む、む……欲しいのはもちろん欲しいけど……。
ん、イヤでも悪い気もするし……。
「うーん…………じゃあ、もらっとく。……ありがとう。」
「おいしそう。お姉さんにもお礼いっといてくれな。」
ああ……結局欲望に負けた……。

そしてそんなやりとりに目もくれず、元気な方は机にかじりつくようにしている。
「トリック!そしてトリート!」
いやいやいや。
「そしてじゃないだろー。お菓子かいたずらかどっちかー。
でないとあげないぞー。」
ふふん、まったくこれだからガマンの出来ない子供はしょうがないなぁ……。
頭のどこかで自分を棚に上げつつ考える。

「お菓子!お菓子が良いじょ!くんくんくん
えっとな~青いのも気になるがすたんだーどっぽい赤いのを頂こうかにゃ!?」

なんだか見てて心配になる子だ。
「はい、じゃあ赤いの。
急いで食べてノド詰めたりしないようにするんだぞ?」
思わず声をかける。

「どれも美味しそうですね。果物の匂いのやつが気になるかな…」

そしてこっちも変わらず落ち着いた声。
雰囲気似てるし兄妹か?
「果物入ってるのはこっちな。
ちゃんと妹の面倒見てやるんだぞー。」

「それじゃあまたな!
あ、チョコもありがとー!」
クッキーを渡し終わって、二人と別れる。

うーん。
「大人って色々ガマンしないといけないから大変だなー……。」
思わず独り言。
いいながらチョコを一つ、ほおばる。

「おいしい。」
……こういうのも食べちゃいけなくなったりするんだろうか……。

それにしても、これで三人か。
良かった。
私みたいな所にも人が来てくれた。
準備の時もどこか不安はあったし、一人目が来るまでなんて酷い気持ちになってたけど。

一人前になったような、居てもいいよって認められたみたいな。
そんな気持ちのせいか、キャンディーもチョコもすごく美味しい。

そうしていたら見知った顔が。
「トリックオアトリート、で合ってたっけ?
シヴさん、お疲れ様。」
いつもと変わらない眠たげな表情。

「あ、ハッピーハロウィーン。」
とりあえず挨拶。
行くかもとは言ってたけど、今頃来るなんて……また昼寝してた?

「来るの遅いー。
もう誰も来ないかと思ってすっげー不安だったんだぞー。
でも来てくれて嬉しい。ありがとな!」
知ってる顔、姿を見てほっとする。
仮装も何もしてないけど、普段からザントマンみたいなものだしいいのか……?

「私でもお菓子貰えるのかな。」
と周りを見ながら言うけど。
今更遠慮しなくて良いのに。

「ん、持ってけどろぼー!
多分、余るし。
持って帰って一緒に食べる?」

「余ったら貰えるの?
うーん、お客さんが来るよう願うべきか、来ないよう願うべきか……
なんてね」
そんな冗談に私も笑顔になる。

「これが普通の、こっちがドライフルーツとか、これはペッパーとか。
余ったら持って帰るから結局全部食べれるとは思うけどな。」
「んーじゃあ、青い袋のを貰おうかな」
「ん、じゃあ、はい。」
短いやりとりをして、青い袋を渡す。

そして思い出したかのように置かれるふた付きのカップ。
なに、お茶?

「サンキュー。
川が近いせいか結構寒いんだ、ここ。」
わざとらしく手を揉んでから、カップを手に取る。
良い香り。
それに何より……あったかい。

嬉しいな……わざわざあったかいのを持ってきてくれたんだ……。

おかしいな。私はあげる側なのに。
おかしいな。私は貰っちゃいけないのに。
さっきから貰ってばっかり。

どうしてみんな、私なんかに。

「あったかい。美味しい。ありがと。」
「よかった、冷めてたらどうしようかと思ってたんだ」
お礼にアジェットも微笑んで。
「じゃあ、私は宿でまたあったかいお茶でも用意して待ってるね」
「ほんとか?嬉しい。」
「もし寝てたら起こしてね。それじゃ」
そう言いながら手をひらひら振って、アジェットは帰って行った。

ん、じゃあ完全に日が落ちるまでには引き上げようかな。
ミートパイの残りつかってラザニアでも作ろうか。
考えながら暖かい内にカップを空にする。

……誰かのためにすることは、実は自分のためなのかもしれない。
そのためにするんじゃないけど。
……また、頑張ってみようかな。

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