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5-8。

  24, 2013 13:43
エ゛。
と音を出して。
べとべとと洗い場にさっき屋台で食べた夕ご飯が落ちる。
ガンガンと頭が痛い。
鼻を通る酸っぱいニオイ。
頭を下げているせいでどこかボンヤリした頭で、久しぶりだな、なんて思いながら。

そう、久しぶりだ。
ずっと……なかったのに。こんな気持ち。
あの頃は、何かあればすぐに吐いていた。
なにか。パパやママを思い出すようなことがあれば。

あの二人の……せいか。
あの二人が……気にしなくて良いみたいなことを……言うから。
触れても良いなんて言うから。

エ。と再び吐いて。
「違う、だろ……。」
せい、じゃない……私のせいで、だ……間違えるな。
あの二人は何一つ悪くない。

う、と衝動のままに再び口を開ける……けどもう唾液しか出なかった。
唾液がすっと糸を引いて……切れる。
お腹の中身が減った分、少しだけ体が軽くなった気がする。
それでも気分は何一つ変わらない。重いまま。

一瞬だけ軽く感じた体は動き出すとやっぱり億劫で。
コップから水を口に含み、うがい。
痕跡もきれいに洗い流す。

それから近くにあったイスを引き寄せて座って。
力を抜いて見上げた天井は、もちろん自分の部屋とは違うけど。

「友達のために。」
小さく呟く。
友達のために。友達の友達のために。友達の友達の友達のために。
ジジィの言葉を反芻する。

私は。
私はどうしたいんだろう。
私は何がしたいんだろう。
わからない。
私はどこへ向かって……向かえばいいんだろう。

友達のために。その言葉が今はお仕着せにしか聞こえない。
私は……なんのために。

……

しばらくそうやってじっとしていた。
「……仕込みの時間だろ……。」
そう自分に言い聞かす。
今はもうこれ以上考えていたくなかった。

手を動かそう。
何かしてよう。沈めて、忘れてしまおう。その方が、きっと楽だ。
包丁。まな板。水。食材。油。
……鍋。
取っ手を持って。コードを口にくわえて。
わき上がる感情を見ないふりして。
無心で体を動かす。

今私が出来ること……したいことは、それだった。
そしてそんな私に声が掛けられる。
『おうい、おーい。シヴのお嬢。ちょっと良いかい?』

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