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2-95。

  21, 2011 01:33
夜。

光の漏れる扉をノックする。
「お母さん。」
「なーにー?」
間延びした返事。
「ご飯……。」
「あー……。」
そして返事は続かない。

「はいるね。」
かちゃりと扉を開ける。
忙しく動く背中。
振り返りもしない。

「ここ、置くね。」
お昼に持ってきた……全然減ってないお昼を避けてその隣に置く。
「お母さん。」
「なーにー?」
間延びした返事。
忙しく動く背中。
「ご飯、ここに置いたから……。」
「んー……。」
振り返りもしない。

「お母さん。」
「なーにー?」
聞いて返事が貰えることに少しだけ安堵しながら。
「……死んじゃうの?」
初めてお母さんの動きが止まる。
それでも振り返らずに、そしてまたすぐに動き始める。

知っている。
ほとんど食べていないこと。
食べたほとんどを吐いていること。
ほとんど寝ていないこと。
寝てもすぐに起きだして薬を飲んでいること。
その薬が日に日に増えていっていること。

「死んじゃうの?」
もう一度聞く。

「……今のままだとね。」
予想はしていて、それでも固まってしまう。
次の言葉が出せない私を、お母さんが心底うっとうしそうな顔で振り向く。
「用事はそれだけ?じゃあ早く出て行きなさい。」
私の返事を待たずに扉を指さす。
それでも私は動けない。

お母さんはため息を一つ。
「……全く……最近の麻子はワガママばかりね。昔のイイコにしてた麻子はどこに行ったの?」
呆れた顔。
私の一番嫌いな顔。
私が一番見たくない顔。
頭の真ん中が熱くなって、涙が出そうになる。
「だっ……て……。」
言葉に詰まる。

お母さんはため息をもう一つ。
「いい、麻子。今は時間がないの。」
「あの時あなたたちを置いていったのは、まだ一人で動けば間に合う可能性があったからだけど。」
「いえ実際に間に合ったわ。多少の無理はしたけど。」
「その代償が今なの。」
ため息をさらに一つ。
「そういう質問が出るって事は、ある程度どういう事なのかわかってるでしょう?」
言い聞かせるように。
疲れた声で。

それでも私は動けない。
「し、死んじゃ、やだ……。」
ワガママ。
これは、私のワガママ。

なくして、さがして、とりもどして、なのにまた。
「な……んでも、なんでもするから……。」
「また私の血を使って良いから、全部使って良いから、だから……。」
それ以上は言葉にならない。
ただお母さんが離れていかないように、服を掴む。

「離しなさい。」
冷たい声。
「やだ……死んじゃやだぁ……。」
「離しなさい!」
「やだぁ!やぁ!イヤぁ!」
お母さんは掴んだ服をむちゃくちゃに動かして何とか私の手を離させようとする。
それでも私は離さない。
もう自分でもわからない。
ただ駄々をこねて、離したらそれでおしまいな気がして、だから。

パンッと頬をはたかれる。

固まった私を、お母さんは引きはがすように扉へと押しやる。
「出て行きなさい。それから、しばらくこの部屋には近づかないように。」
怒っている。
お母さんが怒っている。
……ごめんなさい、ごめんなさい……涙があふれてくる。

「おああぁん?」
「あー?」
「アーシア、麻子。麻子を連れて行きなさい。それからあなたたちもしばらくこの部屋に近づいちゃダメだから。いいわね?」
騒ぎに気付いて顔を出した二人にお母さんが命令する。
二人は顔を見合わせて、そのまま動けないでいる私を言われたとおりに部屋から連れ出す。

ベッドに座った私を、二人は撫でてくれた。
理由も聞かず、ただずっと私が落ち着くまで。
ずっとずっと、撫でてくれた。
お母さんがいつか私にしてくれたように。
ずっと。
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おひさしぶりです。
ちなみにこの数ヶ月でここに来られた方は指で数えられる人数です。
しかもその大半は広告と思われます。
おそらくUPしたところで今の状態なら気付かれにくかろうと思ったのでまとめて片付けました。

麻子のお話はとりあえずこれで終わりです。
EDをきちんと作れないのが素人の所作ですね。
続きは頭にありますが書いても自己満足にしかならなさそうなので。
自キャラ語り延々しててもキモイだけですし。
言い訳にもなりませんが。だらだら続けるのは個人的に好きじゃないので。
だったらどっかでクロスオーバーさせる方が好き。

疑問あるならついったかいんたぶーにでも適当に投げて貰えれば。ないだろうけど。

下の方に同じようなこと書いたような覚えありますが、結局切ない成分は出せてたでしょうか。
お母さんの名前が麻子であることを麻子に伝えるシーン書いてないままですね、そういえば。
だいぶ初期の方にだしたお母さん案はだいたいの条件を満たせたと思うけれども。

「ある日突然いなくなった「お母さん」を探してこの島にたどり着いた。
 自分より大きいものは、怖い。
 不用意に近づくと……噛みます。」
しかなかった設定がよくもここまで膨らんだものです。
いつかどっかで見かけたオリキャラには親兄弟親族がどんどん増えていくとはまさにこのことですね。
アーシアもうちょっと活躍させて上げたかったなー。

といいつついつまでも終了したゲームのキャラの話をしていてもかっこ悪いので、今後はあまり出さないように出来たらいいなあ。(希望

六命参加します。しばらくステルスです。
のでこのブログは継続使用ですが(新しく作るのめんどい)、タイトルは変わります。
次回更新をお待ち下さい。
具体的には新しい壁紙見つけるまでの30分ぐらい。
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LOVE ME?
麻子、愛してる。…………嘘だけど。
麻子、愛してた。…………本当に。
麻子、愛してあげる。 ……………私が。

おわり。

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